紀元前6世紀に入るとインド各地で都市国家が次々に誕生していった。また、都市国家の中で力をつけた武器武士階層や商人らの支持を得て仏教やジャイナ教といった新しい宗教も誕生した。また、これらの宗教に並行してバラモン教でも改革運動が起こり、ウパニシャッド哲学が誕生したことに加え、後にヒンドゥー教が誕生した。(↓まとめ)
→コーサラ国やマガダ国が台頭してきた。マガダ国は当時強大な軍事力を有していると噂されており、アレクサンドロス大王がインダス川までで東方遠征を辞めて引き返したのにもマガダ国の噂が影響していた。
マガダ国の支配領域
→この頃マガダ国ではナンダ朝が成立していたが、アレクサンドロス大王死後に西アジアがセレウコス朝の支配下となったのと同じ頃にチャンドラグプタによって倒された。(ナンダ家が王として君臨していた時代をナンダ朝という。イギリスという国家に現在ウィンザー朝が君臨しているのと同じことを意味する)
濃い青の部分がアショーカ王時代のマウリヤ朝の支配領域。南インドでは巨石文化が広まっていた。
(Vastu作、wikipediaより)
→チャンドラグプタは王位に就き、紀元前317年頃にマウリヤ朝が建てられた。インド初めての統一王朝であり、都はパータリプトラに置かれた。マウリヤ朝は領土を拡張していき、西南インドとデカン地方をも支配した。3代目のアショーカ王の時代には仏教が重んじられるようになり、ダルマ(法)による統治が行われ、その理念はインド各地の岩や石柱に刻まれた。また、仏典の結集も行われ、仏教が各地に広まっていった。
→アショーカ王の死後、広大な領土と官僚機構、軍隊が財政を圧迫し、また、バラモン教を重んじなかったためにバラモンらの反発を招き、急速に衰退していった。
まとめ
仏教 開祖はガウタマ・シッダールタ(いわゆるブッダ)、ヴァルナ制を否定し、人間の心の内面を重視して輪廻転生からの解脱を説いた。
ジャイナ教 開祖はヴァルダマーナ、仏教と同じくバラモン教の祭式を否定した。苦行と不殺生を徹底した。
ウパニシャッド哲学 宇宙の本体たるブラフマンと人間の本質であるアートマンは本来1つのものであると考え、同一性を悟ることで解脱することを目指したもの。
ヒンドゥー教 ヴェーダの神々(バラモン教の神々)から代わってシヴァ神やヴィシュヌ神を崇拝した。牛が神聖な動物とされている。
創造と破壊の神とされるシヴァ神
(Gururaj Malekar作、wikipediaより)